藤島が出てきた

何度も俺に突っかかってきて、

その度に柔道の組合のようになり、

気づいたら投げ飛ばしていた。

その時のことは今ではあまり覚えていないけど、

何か女のことでもめたんだと思う。

藤島の言葉巧みな罵りに、

言い返すこともできずに、

暴力に及んだんだと思う。

俺はあいつのそういうところに、

嫉妬をしていることに気づかされて、

当たりどころのないモヤモヤが

部屋に漂った。